アフターピルとは?

性交は妊娠を目的としているだけではありません。ついコンドームを付けずに性行為をしてしまった時や、コンドームが破けてしまった時など、思わぬきっかけで避妊が失敗してしまうこともあります。

また、あまり考えたくはないですが、性犯罪に巻き込まれてしまったりした時にも避妊ができません。

そんな、もしもの時に役に立つのがアフターピルです。望まない妊娠ほど生まれてくる赤ちゃんがかわいそうなことはありません。避妊に失敗してしまったら、焦らずアフターピルを服用しましょう。避妊の最終手段としてあなたを助けてくれることでしょう。

しかし、アフターピルには正しい飲み方や副作用があります。正しい知識を持っておくことで、避妊に失敗した時も慌てずに済みます。ここで、正しいアフターピルの知識を身に付けましょう。

アフターピルとは

アフターピルとは緊急避妊薬のことを指します。正式名称はモーニングアフターピルと言い、多くの場合はアフターピルと省略されます。名前にアフターと付いていることからも分かる通り、性交後に服用する避妊薬です。もちろん避妊は先にしておく方が効果もあります。

しかし、意図しない事故で避妊に失敗してしまうことも少なくありません。そんな時に、後から服用することで避妊ができるのです。アフターピルは性交後、なるべく早く飲む方が効果を発揮します。

アフターピルには排卵を遅らせる効果や、受精卵の着床をしにくくする働きがあります。避妊に失敗したことで妊娠の可能性が高まったとしても、受精卵を着床させなければ妊娠しないという仕組みなのです。そのためにも、一刻も早くアフターピルを服用することが必要なのです。

アフターピルはどんなときにつかうの?

アフターピルは望まない妊娠を阻止する時に役に立ちます。何らかの理由で避妊に失敗してしまった時や、そもそも避妊をしないで性交をしてしまった時、妊娠する可能性を下げる役割を持っています。避妊失敗から72時間以内にアフターピルを服用することで妊娠の可能性を下げるため、性交後すぐに飲むことで役に立ちます。

男性がコンドームを常備するように、女性も万が一の避妊失敗に備えてアフターピルを常備しておくのが良いでしょう。アフターピルがどこで買えるのか、どうやって飲むのかを知っておけば、万が一の時でも落ち着いて対処できます。

アフターピルの正しい飲み方

アフターピルの飲み方は「とにかく早く飲むこと」です。避妊に失敗した性交後から72時間以内にアフターピルを服用しないと効果が薄れると言われています。

ヤッペ法ではまず72時間以内にプラバノールを2錠服用し、その後12時間後にもう2錠服用します。きちんと時間を守って服用しないと効果がありません。ヤッペ法はこの2度目の服用を忘れてしまう方が多いようです。忘れてすぐに気がつけば良いのですが、そのまま服用をしなかった時には薬の効果が落ちてしまいます。

そこで、近年主流になりつつあるのがノルレボ錠です。ノルレボ錠であれば、避妊に失敗したセックスの後72時間以内に服用するだけでOKです。さらに、避妊失敗後12時間以内にノルレボ錠を飲んだ時には99%の効果が得られると言われています。このように、プラバノールでもノルレボ錠でも、服用をする時間が早いに越したことはありません。

避妊に失敗したと思ってからアフターピルを手に入れると時間がかかってしまうので、先に常備しておくのがおすすめです。

アフターピルには副作用がある

アフターピルを使って緊急避妊をした時に、気になるのは副作用です。アフターピルは体内の女性ホルモンの量を急激に増やすことで、無理やり生理を起こす効果があります。もちろんこれは生理現象に反しているため、あまりいいこととは言えません。

当然アフターピルには副作用があり、薬の効き目のためにも耐えなければいけません。アフターピルを服用することで一番多い副作用が、吐き気や嘔吐です。女性ホルモンのバランスが著しく崩れるため、アフターピルを飲むと吐いてしまう人も少なくありません。しかし、服用後2時間以内におう吐してしまうとアフターピルの効き目がなくなってしまうため、辛くても我慢しましょう。おう吐の他にも、気分が優れなかったりめまいや疲労感を覚えることもあります。「アフターピルを服用すると、気分が悪く吐いてしまうこともある」と覚えておくと良いでしょう。

大体の副作用は24時間以内におさまるので安心してください。指定されている用法や用量を守らず、心配だからと勝手に服用する量を増やしてしまうと、副作用も長引いてしまうのでやめましょう。

指定された量と方法で服用をすれば、後遺症や不妊症にはなりませんし、将来的に生まれる子どもに影響はありません。

ふつうのピルとの違いは?

ピルもアフターピルも避妊薬であることには違いがありません。しかし、低用量ピルは毎日続けて服用することで妊娠を阻止します。避妊に失敗した時に服用するアフターピルとは少し違います。主な違いは含まれる女性ホルモンの量です。低用量ピルは毎日服用するために成分である女性ホルモンの量が少なくなっています。ピルには避妊効果があるだけでなく、ホルモンバランスを整え生理不順を改善する効果もあります。副作用も少なく、避妊効果もほぼ100%と高いことが特徴です。他にも生理痛を抑える効果もあるため、近年では避妊を目的としなくてもピルを服用する女性が増えています。

一方アフターピルは成分の女性ホルモンの量が多くなっています。体内の女性ホルモンを急激に増加させ、排卵を遅らせることで妊娠を阻止します。また、受精卵を着床させない効果もあるため、高い確率で妊娠を阻止することができるのです。しかし、体内のホルモンバランスを崩してしまうため、副作用が多いのです。アフターピルは日常の服用はせず、あくまで緊急避妊のための方法です。「避妊しなくても後でアフターピルを飲めばいい」というのはリスクが高いことなのでやめましょう。

アフターピルでの緊急避妊は2種類ある

緊急避妊法にはプラノバール錠を服用するヤッペ法と主にノルレボ錠を服用するLNG法の2種類があります。

ヤッペ法はプラノバール錠を使用する緊急避妊のことを指します。避妊に失敗した性交後、72時間以内に中用量ピルを2錠服用します。1回目の服用が終わった12時間後に、再び中用量ピルを2錠服用するという方法です。ヤッペ法による緊急避妊を行うことで、妊娠率を3.2%に抑えることが可能になります。避妊が成功すると通常5日以内に出血します。ヤッペ法で服用するプラノバールは、もともと緊急避妊のための薬ではないため副作用が強いことが特徴です。

もう一方のノルレボ錠を服用するLNG法は、ヤッペ法と違い緊急避妊を目的とした薬を服用します。その為妊娠阻止率も高く副作用も少ないことが特徴です。最近ではノルレボ錠を服用する方法が主流になっています。ノルレボ錠は避妊に失敗した性交後、72時間以内に服用することが推奨されています。服用後、1週間以内に出血すれば避妊が成功と言えます。LNG法に使用するアフターピルはノルレボ錠の他にも、マドンナやポスティノールなどがあります。

緊急避妊法(ヤッペ法、LNG法)についての詳細はこちら

アフターピルは病院か通販で手に入る

アフターピルは常に常備しておくのが一番です。もし、今が常備のためのアフターピルを探しているのであれば、自分がいちばん手に入れやすい方法で購入しましょう。逆に、避妊に失敗してしまって今すぐアフターピルを手に入れたい場合は、すぐに手に入る方法で購入しましょう。ここでは、アフターピルがどこで手に入るのかを紹介しています。

病院で処方してもらう

まず、最も確実で早い方法が病院でアフターピルを処方してもらうことです。産婦人科やレディースクリニックに行けばもらえます。どこの病院でも処方してもらえるとは限らないので、病院へ行く前に電話などでチェックするのが良いでしょう。

アフターピルは保険適用外です。実費で薬代を払うことになるため、保険証は必要ありません。しかし、他に検査をする可能性もあるため念のため持っていくと良いでしょう。アフターピルは1万円程度で処方してもらえます。

病院では副作用の相談にも乗ってもらえますし、アフターピルと飲み合わせができる吐き気止めなどを処方してもらえます。ただし、処方してもらえるアフターピルの量は必要最低限です。避妊に失敗したから今すぐアフターピルが欲しいという人には病院での処方をおすすめします。

アフターピルを病院でもらうには?

通販で購入する

アフターピルは通販でも購入できます。病院で処方してもらうこととの違いは、常備用の薬を購入できることです。病院では医師が必要と判断した時に、最低限の量のアフターピルを処方されます。これではその都度病院へ行かなければいけません。万が一に備えて常備しておきたいという人は、通販でアフターピルを購入することをおすすめします。

また通販では費用も安く、1回分を1,000円程度で購入できます。誰かに知られる心配もないので安心です。今すぐアフターピルを使いたい場合は、通販だと急いで購入しても届くまでに数日かかってしまいます。その場合は病院へ行きましょう。

コンドームを使った避妊法だと、約2割は失敗すると言われています。万が一コンドームでの避妊に失敗してしまった時のためにも、アフターピルを常備しておきましょう。

通販で購入するときの注意点